[TeX] hmtrump パッケージでトランプのルールを記述する
2020年12月10日 (木) 23:59
この記事は TeX & LaTeX Advent Calendar 2020 の 10 日目の記事です。 9 日目は bd_gfngfn さんの TeX言語で型なしλ計算を評価するVMを書いた話 でした。 11 日目は zr_tex8r さんの LaTeXで出力PDFのバージョンを指定する ~bxpdfverパッケージ~ です。
遅れて申し訳ありません。
この記事では、私が作った hmtrump パッケージについて紹介します。
- hmtrump パッケージ (CTAN)
このパッケージは、LuaLaTeX を用いてトランプのカードを表現するためのパッケージです。 これを用いると、次のような表現ができます。
— ひとみえっち (@CareleSmith9) December 14, 2020
このパッケージを CTAN に登録した際の記事は、Qiita に昔まとめました。
- CTAN にパッケージを登録する話 (Qiita)
また、このパッケージを用いて作られた文書の例が以下にあります。
パッケージを使うためには、\usepackage{hmtrump} とするだけでよいです。 TeX Live に含まれているので、TeX Live をフルスキームでインストールしていれば、特に何もせずとも使えるはずです。 追加の OTF フォントを利用しますが、それも TeX Live に含まれています。
このパッケージで定義される命令のなかで、最も重要なものは \trump{<rank>}{<suit>} で、 このコマンドを利用することで、トランプのインデックスのようなフォントで、 枠囲みのトランプのカードの表記を出力することができます。 ランクは A, 2〜9, T(10), J, Q, K、スートは S, H, D, C, x(スートなし)で指定します。 なお、ランクには上に書いた文字以外(C とか)も入れることができますが、T だけは 10 に変化します。
その他、定義される命令の一覧はマニュアルを参考にしてください。
— ひとみえっち (@CareleSmith9) December 14, 2020
スタイルファイル本体を見ればわかりますが、このパッケージは TikZ で実装しているため、 \tikzset コマンドで定義を書き換えれば、好みのスタイルに変化させることも可能です。
皆様に於かれましても、TeX でトランプのルールに関して記述することがありましたら、 ぜひこのパッケージをご利用ください。